不憫な妹が可哀想だからと婚約破棄されましたが、私のことは可哀想だと思われなかったのですか?
第三章 夏休みの事件
 最近、魔法学園からは人がよくいなくなる。
 ヴォルダン伯爵令息とムドラス伯爵令息が退学したことによって、学園ではそのような噂が立ち始めた。
 その全てに関わっている私は、やはり立場が悪い。人々から、噂されているというのが現状だ。

 ただ、その状況にはもう慣れている。今更、何か思うものではない。
 そんなことよりも重要なのは、マグナード様を始めとする友人ができたことであるだろう。
 特に今回の件でできたミレリア嬢とは同性ということもあって、かなり親密にさせてもらっている。

 ちなみに彼女は、特に問題なく復学することができた。
 例の件で後遺症が残ることなどもなかったし、万々歳だ。

「ここが、イルリア嬢の部屋ですか?」
「ええ、なんだか少しお恥ずかしいんですけど」
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