不憫な妹が可哀想だからと婚約破棄されましたが、私のことは可哀想だと思われなかったのですか?
第二章 揺れる学園
 ロダルト様のことに関して、私には少し気になっていることがあった。
 それは私と彼、及びマグナード様が同じクラスだということである。
 つまり、教室で絶望していた彼と顔を合わせる機会が、確実にあるのだ。それはなんというか、少々気が滅入る。

「おや、おはようございます。イムリア嬢」
「おはようございます、マグナード様」
「昨日は、よく休めましたか?」
「ええ、それなりに」

 教室にやって来た私は、まずマグナード様と朝の挨拶を交わした。
 彼と私の席は隣同士である。その席順が、今はとてもありがたい。これでなんとか、ロダルト様と顔を合わせる覚悟ができそうだ。

「……ロダルト子爵令息を探しているのですか?」
「あ、ええ、そうです。彼とどんな顔をして同じ教室で過ごせばいいのか、よくわからなくなっていて……」
「まあ、そうでしょうね。気まずいことは確かです」
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