空飛ぶ消防士の雇われ妻になりまして~3か月限定⁉の蜜甘婚~
エピローグ
エピローグ


 事件から二週間、秋も深まる十月下旬。

 今夜は善次郎の誕生日を祝うパーティーに招かれている。会場は横浜のとあるホテル。本当はパールトンで開催予定だったのだが、あんなことになりまだ営業再開の目処は立っていないため、やむなく会場を変更したそうだ。

 美月と晴馬は寝室の続き部屋になっているクローゼットルームで、パーティーのための洋服を選びながらお喋りをしていた。

「おじいさま、パーティーが終わったら明日にはドバイに帰ってしまうのよね? 寂しくなるなぁ」
「俺たちの結婚式には帰ってくると言ってたよ」

 パールトンの営業が再開したら、そこで式をあげようと晴馬と約束している。神前式にするか教会式にするか、披露宴会場の装花はどうしようか。あれこれ想像するだけで楽しかった。

「じいさんに証人になってもらった婚姻届、せっかくだからそのまま提出しようか?」
「ふふ、無駄にならなかったね。それにしても、おじいさまがあの爆発に巻き込まれなくて本当によかった」

 美月はしみじみとつぶやいた。

「数時間の差で難を逃れるとはね。あいかわらず強運な人だな」
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