我が家のゆうちゃん
兄が突然、私の背中押したのだった!

ゴォォォォォォォォォォォォォ!!!!!!
私は、まるでジェットコースターに乗ってるかのようなくだりを味わった。

楽しいと思ったのは、ほんの5秒くらいだ。

ゴツン!

坂道の下にあった父の車庫に顔面衝突したのだ。
私は、一瞬、何が何だかわからなかった。
ゆうちゃんこと兄が心配してきてくれた。

その時、ゆうちゃんの顔がどんどんりんごのように真っ赤になったのだ。


そして、泣き出した。


『お母さん!とわが怪我した!お口が真っ赤だよ!』


生まれて初めて兄の涙を見た。
いつもニコニコ、何考えてるんかわからないあの兄が初めて涙を流してるのだ。

『とわちゃん!急いで歯医者行かないと!』

母に言われて、初めて前歯2本ないこと知ったのだった。
兄は、きっちり、母にも父にも叱られたのでした。

私は、幼いながら、妹思いの優しい兄の1面見れてよかったと思ったのでした。

時は、過ぎて兄は、保育所へ通うようになった。



だけど


『ねー!なんで保育所に行かなきゃダメなの?』


保育所についた途端にこんな調子だ。
母も保育士さんも困った。

『じゃあ、先生のお車でちょっとドライブしようか。』

保育士さんは、落ち着くまでドライブしてくれるという。

『本当にすみません。』

母は、申し訳なさそうに頭下げた。
私から見たら、保育所って楽しそうだなと思った。


夕方、お迎えに行くと

『ゆうちゃん、車の中でなんで保育所に行くのかそればっかり聞いてきて、困りました。』

『本当にすみません。すみません。』

保育士さん、疲れて、顔がちょっとやつれてた。
いくら子供相手をするプロでも保育士さんも人間だ。本当にお疲れ様です。


と私も心の中で頭下げた。

肝心の本人は

『ねぇ。まだ遊ぶの?』

『うん!まだ帰らない』

なんと夕方16時半すぎても帰らない。
母は、ママ友とお喋り。

朝は、あんなにいやいやしておいて、帰りは、帰りたがらない。
子供って、不思議だ。

余談だが、保育所に通うようになった私は、大泣きした。兄の気持ちが分かった気がするのでした。

保育所生活も終わった兄は、小学生になった。

『なんで小学校に行くの?』

今度は、なぜ学校に行くのかと聞き始めた。

『義務教育で決まってるのよ。』

なんとか説得して、なんとか学校へ行かせたのだが、さらなる問題が大勃発した。

『如月さん。ゆうちゃんが川の土手で寝てたよ。』



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