捨てられた聖女の復讐〜みんな大っ嫌い、だからすべて壊してあげる〜

三章


──サルバリー王国の王宮にて


こんなにも心穏やかで幸せな日々が訪れるとは思わずに毎日、オースティンは上機嫌で過ごしていた。
ユイナとの関係も概ね順調である。
今日は執事と共に王宮の中を案内していた。
彼女は何を見ても新鮮なのか嬉しそうにしている。
そんな時、壁に古い肖像画が飾られていることに気づく。


「……なんだ、これは!」

「こちらはアシュリー様とオースティン殿下の肖像画ですが」


後ろに控えていた執事が淡々と答えた。


「今すぐに外せっ!」


(オースティンside)


元婚約者アシュリー・エルネットは肖像画の中で幸せそうに笑みを浮かべながらこちらを見ている。
最近、思い出しもしなかった名前、アシュリーの名を数ヶ月振りに聞いたのだった。


「アシュリー様って、あの時に泣いていた方ですよね?」

「……ああ」


ユイナの言葉に歯切れの悪い返事を返す。
父と母にユイナと婚約することでアシュリーとエルネット公爵家との縁が切れると伝えられた。
その時、どれだけ嬉しかっただろう。
王家への敬意を忘れて、搾取する邪魔なエルネット公爵家。
そして善人の振りをして厚かましくも笑顔で城に通うアシュリー。
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