七日目の恋 ダリウスとリセ・改訂版・魔法の恋の行方シリーズ

魔女の主、ダリウスの試験

指定されたのは、ある大富豪のプライベートパーティが開かれる場所だった。

ダリウスは今頃、パーティでばか騒ぎに興じているのだろう。

リセはその間、待機だ。

うす暗い地下駐車場の車の中で、ダリウスの基本情報を読み返していた。

極秘情報は持ち出し禁止だが、
護衛仲間からは、情報を得ることはできた。

ダリウスはパーティによく参加をする・・

それは気に入った女性を<お持ち帰り>をするためだ。

しかも気まぐれで、不特定多数の女性と関係をもっている。
あの性格なら・・長続きはしないだろう・・

履歴には、こうあった。

王族の継承者争い・・
ダリウスは幼い頃、叔父から殺されかけた事があった。
事故ということで処理をされている。

母親は表向き病死、しかし毒殺された可能性が高い。

父親は失踪している。行方不明。
生きているのか、死んでいるのか。殺されたのか・・・真相は不明。

ダリウスは自らの意志で、王位継承から離脱したが、王族の内紛は未だに続いている。

ダリウスを担ぎ上げて、王位につかせようともくろむ官僚も多く存在する。

それに巻き込まれないよう、ダリウスは気ままに、各地を転々とした生活を送っている。

金だけは潤沢にあるようだ・・
隠し財産が、色々な場所にあるらしい。

リセは上着のポケットから、ハンカチに包んだクッキーを取り出した。
ぽそ・・ぽそ・・とかじる。

身辺警護は激務だ。
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