七日目の恋 ダリウスとリセ・改訂版・魔法の恋の行方シリーズ

魔女の護衛仕事、二日目

<翌日・2日目>

リセは指定された時間5分前に、ダリウスの部屋の前に立った。

ネクタイの結び目を確認してから、大きく息を吸い、ドアチャイムを鳴らそうとした瞬間、
執事がドアを開けた。

「ダリウス様が、すぐにお出かけになられます」

「・・車を」
リセが答えようとした時、
ダリウスがバスローブ姿で、寝室から出て来た。

シャワーを浴びたところなのだろう、髪がまだ濡れているのか
タオルをかぶっている。

「ダリウス様・・お支度を」
執事がすぐに反応した。

「車の準備をいたします」
リセも同じように、タオルをかぶったダリウスに頭を下げた。

「ああ・・」
ダリウスはそれだけ言うと、
寝室に戻って行った。

リセに、視線をやることもなかった。

リセは思った。
昨日の<キス試験>は・・
取りあえず、不合格ではなかったのだろう・・

今日の行き先は、大物政治家の大邸宅でのパーティ。

いつものバカ騒ぎで、<お持ち帰り女性>を探すのだろう。

リセは待機の車の中で、昨日と同じようにクッキーをかじり、
ダリウスの関係資料を読み込んでいた。

ダリウスの行動を、先に予測することが重要なのだ。

暴走や想定外行動を防ぐためには、ダリウスの<人となり>や、習慣などを熟知していなければならない。

40分ほど、立った時だった。
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