七日目の恋 ダリウスとリセ・改訂版・魔法の恋の行方シリーズ

魔女の護衛仕事

黒髪の小柄で華奢な魔女だった。

貧血ぎみの白い肌と、瞳は薄い紫だが、少し緑が入っている。

定番の老女ではなく、まだ若葉が芽吹く前の小枝のような少女に見えた。

はつらつとは程遠い・・暗い印象だった。

「こんにちは、先生」

「こちらに座りなさい」
補佐官の口調が教師になった。

「はい、失礼します」

魔女は足音を立てずに、補佐官の正面の椅子に座った。

補佐官は両手をあごの下で組んで、改めて魔女を観察した。

こちらを見るまっすぐな視線、
その小柄で華奢な容姿に似合わず、強い意志と落ち着きがその瞳には宿っている。

漆黒の髪を後ろで束ねて、魔女の正装である黒いローブを着用している。

黒い影の中から、青白い顔と首が浮き出てみえる。

あいかわらず・・変わってないな・・
補佐官は微笑んだ。

「よく来てくれたね、リセ、元気だったかい?」

「はい、先生・・御無沙汰しております」

リセは丁寧に答えた。
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