七日目の恋 ダリウスとリセ・改訂版・魔法の恋の行方シリーズ

魔女の赤い靴

「どうした?」

不審な顔をして、ダリウスが顔をしかめているリセを見た。

「あの、靴づれなのです。
いつも履いているのが、朝、気がついたら壊れてしまっていて・・」

リセは、すぐにポケットから絆創膏を数枚取り出した。

「すみません。絆創膏をはる時間だけ・・お願いします」

後ろを向いてくれないかな・・
赤い靴が見えてしまうし・・

リセは慌てて赤い靴と靴下を脱いで、素足をだした。

「どれ、見せてみろ」

ダリウスが目前で片膝をついたので、リセはぎょっとして、思わず身を縮めた。

王族がひざまずくなんて、ありえないでしょ!!

「大丈夫です!!自分でできます!!」

そのまま、ずりずりとお尻をずらしてベンチの端っこまで、何とか移動した。

ダリウスはリセの隣に座ると、
かがんで、赤い靴を指でひっかけて持ち上げた。

「ふーーん、こういうのが魔女の趣味か?」
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