七日目の恋 ダリウスとリセ・改訂版・魔法の恋の行方シリーズ

魔女の決意

<最後の7日目>

「はい、この書類にサインをもらえばいいのですね」

穏やかな女性の声が、ドア越しに聞こえる。

リセは薄く目を開けた。

ああ・・ここ・・
リセはベッドに寝ているのに気が付いた。

天井・・ここは宿泊所・・自分の部屋だ

「気が付いたのですね。大丈夫ですよ。
強いストレスによる、魔女ホルモンの急激な低下が原因だから」

中年のふっくらした女性看護師が、リセに声をかけた。

「点滴・・もう少しですね」

看護師は、リセの腕に刺さっている点滴の針先を確認して、笑顔を向けた。

「ええと、あなたの手続きは・・
終了していますよ。
この書類に確認サインをして、担当者に渡してくれればよいそうです」

そう言うと、ベッドサイドテーブルに紙ばさみを置いた。

リセが横を向くと、
椅子の背に、上着とスリングショットがひっかかっている。

「・・武器の・・変換手続きは・・?」

「それは、さきほど、管理官が来て確認して持っていきましたよ」

リセは少し安心して、目を閉じた。

< 72 / 92 >

この作品をシェア

pagetop