七日目の恋 ダリウスとリセ・改訂版・魔法の恋の行方シリーズ

魔女の赤い糸、絡まる

リセは自分に言い聞かすように、正門の警備員室に向かった。

とにかくすべて終わったのだ。

バスターミナルに行って、最終の長距離夜行バスに乗ろう。

行き先は、最初に来たバスで決める。

バスの中で眠って、朝、到着した街でホテルを探せばいい。

その先は・・また眠り・・起きたら考えよう。

通用口の扉を開けると、外は気持ちの良い夜風が吹いている。

リセのスカートをふわりと揺らした。

「お疲れさま。お休みなさい」

リセは初老の警備員に入館証を渡し、通りに出た。

もう、深夜なので人通りはない。

車だけが時折通り過ぎるだけだ。

さて、バスターミナルはどっちかな・・
リセが立ち止まった時だった。

「リセ・・か?」

街灯のぼんやりとした明かりの下で、フード付きのパーカーを着た長身の男が立っていた。

夜なのに、サングラスをかけている。

ダリウス様・・

リセはすぐにわかった。

「はい・・」
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