とくべつな休日
ここは、京急の青物横丁駅前のあるコンビニだ。

 2024年5月になった。

 季節は、ゴールデンウイークになっている。

 新型肺炎コロナウイルス感染症は、もはや、終わったけど、年々、寒暖の差が激しいな、と思った。

 スマホでは、熱中症警戒アラームだとか、紫外線対策をしないといけないとなっている。

 タカアキは、今日も、仕事へ向かった。

 タカアキは、コンビニで、スタッフとして、レジに立っているのだが、こんな時、家族連れとかカップルを見たら、「ああ、良いな」と思う。

 今日も、晴れている。

 そして、コンビニで、商品を買って、そのまま、駐車場からクルマで出ていく客を見たら、「自分って、寂しい男かなぁ」と思う。タカアキは、どこへ行くのか、よ彼らを想像していた。

 富士山だったら空気は綺麗だし、東京ディズニーランドへ行くんだろうか?と家族連れを観ては、思った。

「合計で、600円になります」

 と男性のお客さんに言った。

 一人の寂しそうなお客さんだった。 

 漫画の雑誌を購入しているのを見て、そう思った。

 グラビアアイドルの写真を観て感じた。

 アイスクリームが、実は、100円安くなっていた。

 アイドルの写真が、空しく感じた。

 この寂しそうな男性客が、買った後、そう思った。

 この時だった。

 今日は、ここのコンビニは、アイスクリームが、少し、割引になるんだったっけ。

 タカアキは、「ああ、オレには、彼女がいない」と嘆いていた。

 そうなのかもしれない、と感じた。

 ここには、アイスクリームが、いっぱいある。

 誰かいないだろうか?と思った。

 カップルだと、あの女の子は、スタイルが良いから、湘南へ行って、海で遊んだら最高だろうな、と少しいやらしい想像もした。

 しかし、そんないやらしい想像をしても、空しくなってきた。

 そうだ、と思った。

 実は、タカアキは、音楽のバンドをしている。

 ベースのミユキなら、暇かもしれないと思った。

 前に、ミユキには、コンビニの場所を教えたものな、と思った。

 そして、午前10時を回ったところで、タカアキは、ミユキにLINEで電話をした。

「もしもし、ミユキ?」

「何?タカアキ、ちゃんと、助詞を使って話をしなさい」

 と電話でも、ミユキは、気が強かった。

「あ、ごめん」

「それより、用事は、何?」

「いや、これから、うちのコンビニへ来ない?」

「タカアキのバイト先へ、行って、どうするの?」

「いや、うちのコンビニのアイスクリームが、安くなるから、来れないかな?と思って」

「私の家から、タカアキのコンビニって、青物横丁でしょう」

「うん」

「交通費の方が、アイスクリームよりも、高いよ」

「…」

「それに、今日は、暑くて、こんな時に、来いって、言うの?」

「いや、良い、忘れてくれ」

 と言って、LINEを切った。

 ミユキに電話をするのではなかった。

 そう思って、電話を切った。

 それから、暫くして、タカアキは、フロアを掃除したり、商品の積み下ろしをしていた。

 午後5時になった。

 後、1時間で、今日のシフトが終わると思った。

 その時だった。

「いらっしゃいませ」

 と言った。

 その時、白のワンピースを着たミユキが、来た。

 セミロングのミユキが、コンビニに来ていた。

 ミユキは、顔を真っ赤にしながらこう言った。

「そこのブルーベリーアイスクリームを、一つ下さい」

 タカアキは、ブルーベリーアイスクリームだけではなく、ポテトチップスやらプリッツやらアイスカフェオレを、おまけしながら、二人は、その晩、ゴールデンウイークの中、食事へ行ったようだった。<完>

 
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