デス・ドール
夢の中
はぁはぁはぁ。
どれだけ走ってもあの音楽が耳に張り付いて離れない。

大きな物陰を見つけて私はそこに見を滑り込ませた。
しゃがみこんで呼吸を整え、耳を澄ます。

あの音楽はこちらに気が付かずにどこか遠ざかっていくのがわかった。
「助かった」

思わず呟いたその時だった。
カランッと響く音が聞こえてきてビクリと視線をあげた。

そこには私を見下ろすようにピエロの人形が笑っていたのだった。
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