エリート外交官は溢れる愛をもう隠さない~プラトニックな関係はここまでです~
「ひさ、」
「あつい、かも……」


 ファスナーを、ゆっくり下ろしていく。朔夜さんは、そんな私を唖然と見つめていた。

 前面が完全に開いたルームウェアの内側から、ひらひらとした生地が覗く。
 白地にピンクや水色の繊細な花の刺繍が咲いた、華やかでかわいらしくて、艶やかさもあるスリップ。今は見えないけれど、同じデザインのブラジャーとショーツも実は身につけている。

 去年の誕生日に成美からもらって、けれど恥ずかしくて着れていなくて。でも今夜、朔夜さんに見せるため意を決して身につけた下着。


「朔夜さん……」


 熱に浮かされたように名前を呼びながら、膝の上にある彼の手に思いきって触れた。

 ピクッと、朔夜さんが反応する。その瞳の中に、見たことのない熱がゆらりと灯った気がして──次の瞬間、私はソファに押し倒されていた。


「……陽咲、どういうつもりだ?」


 私の左手を押さえつけながら、唸るように彼が言う。怒気すら含んでいると感じるその言葉を聞いた瞬間、ひやりと私の背筋が冷たくなった。


「あ、の、」
「いくら相手が俺とはいえ、男の前で無防備に酒で酔って、こんなふうに肌を見せたりして……これじゃあ、襲ってくれと言っているようなものだ」


 拘束されているのは片手だけなのに、朔夜さんの強い眼差しに射抜かれて動けない。
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