借金のカタに売られたら、溺愛メイドになりました〜双子に翻弄されています〜
説明はしたけど、実際に見たほうがいいだろう。
そう思い、キッチンで余ったモッツアレラチーズに小麦粉や卵などを混ぜた生地をつけ、パン粉をまぶして揚げるまで実演した。
グラニュー糖やケチャップ、マスタードとかを好みでかけてください、と締めくくれば、「作ったらぜひ食べてほしい」と真剣な顔で言い出すので約束した。今から楽しみだ。
房宗さんからもこっそりと甘くないおやつをリクエストされたりするので、それに応えるのも楽しい。先週はおやきを作ったから、次はおからの蒸しパンがいいかもしれない。
仕事に楽しみを見つけるのはいいことだと両親も言っていたし、このまま料理を極めるのもいいかもしれない。
そんなことを考えていたら、颯斗くんは「安田さん、おやつを二食分食べてるの……?」と眉間にシワを寄せた。
やばい。言うべきじゃなかったか。
「いえ、その、私が安田さんに押しつけてるようなもので……」