〜ミミコイ〜ミミから始まる10秒間

69~71話

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【Ch.69】


そう言って手渡されたのは
なんだか見覚えがある鍵

これってもしかして……


「あ、もしかして……
りくのお家の合鍵?」

「うん、いつでも
好きな時に来ていいよ

駐車場も前に
谷川さんが停めてた所が
お客さん用に借りてる所だから」

いつでもいいよって言っても
常識の範囲以内だよね?

自分の都合のいい時間に
家事しに行けるのは
すごい助かるけど...…

本当にいいのかな?


「車が今日戻ってきたから、週末は
これからお邪魔する事になるけど……
本当に大丈夫かな?」

「ほたるだから大丈夫だよ
でも、夜に来たら……帰したくなくなる」

「えっ……あ、あの……それって」

「うん、それだね」

そう言って、悪戯に微笑む彼は
私の気持ちなんかお構い無しに
土足で踏み込んで来る

りくと私が、一線超えるなんて
付き合えただけでも奇跡なのに

正直……下着もまだ
ゆっくりでいいと思ってたから
用意してないし

なんなら、この体を
見せる勇気がない……

色々と悩んでいたら
りくが、心配そうに考え込む
私の顔を覗きこんで


「俺とするの、いや?」

って……ううん
全然違うの、ごめんね


「違うよ! そうじゃなくて
付き合えただけで、幸せだから
そんな先の事まだ考えて無かったし

こんなだらしない体
見せるの恥ずかしすぎて……」

今更すぎるけど
もっとダイエットとかして

りくに見合うような
女性になっておくべきだった。

いや、でもまさか
推しと付き合えるなんて
当時は思いもしてなかったから……


「ねぇ……ほたる
あんま可愛いこと言うと
今から本当に食べるけど、いい?」

「え、あ、あの……今はちょっと……
お仕事後だから、油臭いし
お風呂入ってからじゃないと……

それに私
ダイエットしてからじゃないと
体のお肉が、本当に大変な事になってて」

わぁああぁぁあ
なんて事に……自分の誕生日も忘れてたし

脱毛も、サボってたから
黒いのがチラホラいらっしゃる

ダイエットもしなきゃだし……

ねぇ、もう待って!
展開が早すぎてついてけない。

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【Ch.70】


「ねぇ、ほたる……
そんなの気にならないし
それに、俺も仕事後だよ?

なんなら、一緒にお風呂に入る?」

「むりむりむりむり! 推しと
一緒にお風呂なんて、難易度高いっ
恥ずかしすぎて、死んじゃう」

推しとお風呂なんて
想像しただけで顔が、熱くなる……
私は、こんなにも恥ずかしいのに

この人は、本当に
恥ずかしげもなくサラッと
こんな事言えちゃうんだから

りくは、大丈夫かもしれないけど
私は、全然大丈夫じゃない!

とりあえず、今日は
絶対に準備不足過ぎるから
どうにか、この状況を回避しないと


「ワタシ、キョウハ
オンナノコノヒデス……」

「ほたるが壊れた……そんなに嫌?

今日ほたるの誕生日だし
もしかしたら俺……しばらく仕事忙しくて
こうやってゆっくり出来ないかもよ?」

あぁ……そんな悲しそうな顔しないで

ごめん、ごめんなさい
私がちゃんと準備出来てなくて

私だって
りくと、したくない訳じゃないよ

するのが嫌? 

そんなはずないじゃんか
こんなに大好きなのに……でも
大好きだから、嫌われたくないんだよ。


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【Ch.71】


「ううん……好きな人とするのが
嫌な女の子なんかいないよ

でも、本当に私の準備不足で
りくに嫌われたくないの! 
幻滅されちゃう……そんなのいやだよ……」

楽だから買った、全然可愛くない
スポーティーな下着達

最近、脱毛器当てるのサボって
現れた黒い点々達

どうせ彼氏作れないからって
甘やかしてきた、ワガママボディ……

私が悪いんだよ……
準備不足で、本当にごめんなさい。

自分の不甲斐なさと
りくへの申し訳なさで
ちょっと泣きそうになってしまう

泣きそうというか……もう泣く


「ほんとに……ごめんひくっ……うっ……」


りくの指が
私の頬の涙をそっと拭って……


「もう無理」

「えっ……」

ドスッ……

りくの無理って、言葉が聞こえて
視界が揺らいだと思ったら

あっという間に
ベッドに押し倒されて
ガッチリ両手首を掴まれてる

逃げれない……

本当に待ってよ〜
無理なのは、私だから!!


「あんま可愛いこと言ってると
食べるよって俺、言ったよね?

それとも……
そんな可愛い顔して、誘ってんの?」

あぁぁぁもう無理だ
この感じは、絶対に逃げれない。

もう腹くくるしかないかも……


「ごめんなさい! もう降参します
だから、お風呂だけ入らせて下さい
お願いします!!」
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