私と彼の溺愛練習帳 番外編
「君の明るさは元気が出て来るね」
「よく言われます」
 美和はからっと笑った。

「雪音はきっと幸せになる……いや、もう幸せなんだよな」
 惣太は夜空を見上げた。
 つられて、美和も空を見上げる。

「雪!」
 美和は思わず声をあげた。

「こんな時期にどうして」
 惣太が思わずつぶやく。
 月が明るい空に、季節外れの雪が舞っていた。

「ああ、あれのせいですね。人工降雪機かな」
 美和が指をさす先に、なにかのイベント会場があった。

 その中心にある機械が白い小さな結晶を絶え間なく噴き出していた。空に舞い、風に流され、きゃあきゃあとはしゃぐ人々の声が夜に響く。

「雪と月って、似合いますね」
 美和は月を見上げて言った。

「そうだね」
 惣太は同意した。

 雪音と恋人の姿が浮かんだ。

 二人がいつまでも幸せでありますように。

 惣太は静かに祈る。
 月は静かに地上を見下ろし、雪は溶けながら彼の隣を通り過ぎていった。



惣太とお酒の後日譚・終
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