【改訂版】四国州

【終わりのはじまり】

７月の第４土曜日に発生した殺人事件を機に、南海道電力は世間から痛烈なバッシングを受けるようになった。

社長と日名川会の親分の関係が複数の大衆週刊誌で報じられた。

これにより、日本の電力業界にものすごく大きな衝撃が走った。

大きな衝撃は、南海道電力の本社だけではなく州内(愛媛と香川の島しょぶは山陽道電力の管轄のため別)と淡路島の各支店にまで拡大した。

亡くなった社長の後任が決まらない…

来年度の新規採用を無期限中止…

複数のマスコミ各社の記者たちによる取材攻勢などで、職員たちは心身共にヒヘイした。

さらにその上に、サイアクな事実があきらかになった。

ビルジャック事件で亡くなった常務５人に加えて、亡くなった職員たち10人の親族に日名川会系のやくざ組織の親分や幹部クラスの男に知り合いがいたことがあきらかになった。

シューカツ中の学生さんに対するオワハラ問題の張本人が人事部の部長・Ｓ吉(54歳)であったことが分かった。

Ｓ吉は、原告の学生さんにテイソされたあと日名川会に助けを求めた。

原告の学生さんは、日名川会からいびつないやがらせを受けていた…

それが分かった以上、やつらは絶対に許さない!!

話を戻す。

オレは、新居西区(旧西条市の部分)内の国道11号バイパス沿いにあるパチンコ店の前にいた。

時間は、夜の８時前頃であった。

店内にて…

40歳くらいの男性客がパチスロで大当たりをしてニコニコ顔であった。

その時、となりの席に座っていたパンチパーマの男が猫なで声で男性客に『台を変わって』と言うた。

「兄ちゃん…あんたついているね…あやかりたいな…」
「あやかりたいなって…」
「意味はねえよ…」

パンチパーマの男は、男性客に『台を代わって。』と言いたい表情をしていた。

男性客は、ものすごくイライラしていた。

「お兄ちゃん…変わって…」
「えっ？…変わって…」
「お兄ちゃん…変わるだけでいいのだよ…」

そこへ、オレがやって来た。

オレは、男性客にいやがらせをしていたパンチパーマの男のシャツのえりくびをつかみながら言うた。

「コラ!!」
「何だよぉ。」
「オンドレのケツモチはだれや!?」
「何だよ!?」
「州警の本部長から雇われた男や!!」

それを聞いたチンピラは、真っ青な顔ですっとんきょうな声をあげた。

「ヒィィィィィィィィィィィィィィ…」
「おい!!警察署に行くぞ!!」
「何だと!?」
「ほなおもてへ出え!!」

オレは、パンチパーマの男を引きずり出したあと店舗の裏へ行った。

店舗の裏にて…

パンチパーマの男は、オレに殴りかかってきた。

オレは、パンチパーマの男をテコンドー９段空手10段の技で思いきり押さえつけた。

オレは、パンチパーマの男にどこの組のチンピラだと聞いた。

男は、日名川会から絶縁されたやくざだった。

パンチパーマの男は、南海道電力と日名川会の関係を話すと言うた。

オレは、プロトレック(カシオの腕時計)に内臓されているレコーダーのボタンを押して、パンチパーマの男の会話の内容を録音した。

男の話によると、南海道電力の社長や常務などの幹部クラスの連中と人事担当のＳ吉にもやくざ組織と付き合いがあると言うた。

とくにＳ吉は、日名川会の事務所に出入りしている回数がもっとも多かった。

おやぶんからロレックスや高価な貴金属類などをたくさんもらっていた…

まわりでもめ事があれば、Ｓ吉は日名川会にチューサイを頼みに行くなど…

Ｓ吉は、日名川会にイソンしていたようだ。

それを聞いたオレは、ますます怒り狂った。

許さん…

Ｓ吉は、絶対に許さん!!

深夜11時前であった。

オレは中央区三島にある事務所にいた。

パンチパーマの男が話した録音内容をもとに書面を作成した。

その頃であった。

三豊東区で恐ろしい事件が発生した。