鉄仮面CEOの溺愛は待ったなし!~“妻業”始めたはずが、旦那様が甘やかし過剰です~
「あのね、大丈夫だよ。私、どうやら箱推しみたい。あなたとこの子と」

 そう言って俺を見上げる心春に、俺は思わず笑ってしまう。

「箱推しってなんだ」
「全員ひっくるめて推すって感じかな」
「そうか」

 まだ推してもらえるのなら、より気合を入れて頑張らないと。

「なら俺は君と瑛司、ひっくるめて幸せにするよ」

 そう言うと心春が嬉しげに目を細めた。

「なら、お願いします。新人パパ」
「任せておけ」

 俺の言葉に、眠っていたはずの瑛司がうっすらと目を開ける。
 黒目がちの綺麗な瞳に、この子にはたくさんの未来があるのだと胸が熱くなる。
 俺はこっそり心の中でもうひとつ目標を掲げた。
 この子に尊敬されるような、かっこいいパパになりたい。

 ……そのためにはまず、ミルクの作り方からマスターしないといけないな。

 そんな小さくも大きな目標を定めつつ、俺は心春から瑛司を受け取って子守唄を歌った。
 それを心春が優しいまなざしで見つめている――

 きっと、この瞬間のことは死ぬまで忘れないんだろうな。
 俺は優しい雨音を聞きながら、そんなふうに思った。
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