【改訂版】いらくさの家
最終回
さて、その頃であった。

多香子の実家は空中分解が生じる危機にひんした。

9月の初め頃であった。

多香子の父親は、家族に対して『仕事を探してくる。』と言うて家を出た。

その後、京急日ノ出町駅の前に停車していた貸し切りバス会社のバスに乗り込んだ。

多香子の父親が『仕事を探しに行く…』と言うたのは大ウソで、ホンネは友人たちと一緒に平塚競輪場へ行った…と言うことである。

この最近、多香子の父親は競輪《チャリ》でつきまくっていた。

家に帰って来た時、多香子の父親は身体がつやつやとしていた。

つやつやとした父親を見た母親は、不審に感じた。

おかしい…

うちの人は、どこへ行ってるのかしら…

9月10日頃であった。

多香子の父親は、吉原《よしわら》にあるソープ店の若い女のコにのめり込んだ。

同時に、母親とリコンすることを考え始めた。

話はそれから10日後の9月20日頃であった。

場所は、東京・吉原にあるソープ店の個室にて…

多香子の父親とソープ嬢は、ベッドの上で全裸《はだか》になって抱き合っていた。

「ああ…おじさま…キスでいっぱいむさぼってぇ…ふくよか過ぎる乳房をいっぱいむさぼってぇ…」

それから120分後であった。

個室の中にある浴室にて…

多香子の父親は、ソープの女のコと話しをしていた。

「ねえおじさまぁ。」
「何?」
「あの話どうなったの?」
「あの話?」
「奥さんと別れると言う話よ。」
「ああ、そうだった。」
「もう忘れたのぉ?」
「そんなことはないよ…きちんとおぼえているよ。」
「奥さんはどう言うてるの?」
「どうって?」
「リコンに応じてると言うてるの?」
「ああ…言うてるよ。」

多香子の父親は、アイマイな声でソープ嬢に言うた。

ソープ嬢は、なおも煮え切らない表情で言うた。

「おじさまぁ。」
「ああ…ごめん…あと一押しでリコンは成立するよ。」
「ほんとうに?」
「ああ、もちろんだ。」
「うれしい〜…おじさまぁ…だーいすき〜…」

多香子の父親は、ソープ嬢にアイマイな返事をしたあと再び浴槽の中で抱き合った。

それから数時間後であった。

それから何日か後のことであった。

ふたりがいた部屋に警視庁の刑事たち20人が上がり込んだ。

多香子の父親は、インコウ罪で逮捕された。

多香子の父親は、あられもない姿で刑事たちと一緒にパトカーに乗った。

多香子の父親と一緒にいたソープ嬢は、1年前に群馬県北部の農村地区から家出したあと年齢をいつわって入店した中2の少女だった。

少女の両親は、11ヶ月前にケーサツに捜索願いを出していたこともあきらかになった。

テレビのニュースで多香子の父親があられもない姿でパトカーに乗せられて行くところを見た母親は、強烈なショックを受けた。

事件の翌朝であった。

多香子は、大きめのサックスバーのスーツケースに当面必要な荷物を詰め込んだ。

荷造りを終えたあと、多香子はサックスバーのスーツケースとサイフとスマホと貴重品類などが入っている赤茶色のバッグを持って家から出ようとした。

この時、浴室に水音が聞こえた。

多香子は、浴室の前を素通りしたあと家出した。

それから数時間後であった。

多香子の父親が警察車両に乗って帰宅した。

多香子の父親は、10日分の着替えを取りに帰って来た。

家の中にて…

多香子の父親は、浴室の戸が空いていたのを見た。

なにがあったのだ…

不審に感じた父親は、浴室に入った。

この時、父親はおぞましい光景を目の当たりにした。

多香子の母親がカミソリでリスカをしたあと命を絶った…

多香子の父親は、より強烈な叫び声をあげた。

「どうしたのだ!!おい!!どうしたのだ!!」

多香子の母親は、オウトウしなかった。

多香子の父親は、女々しい声をあげながら泣いた。

(ピーッ、ゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトン…)

さて、その頃であった。

家出した多香子は、特急スーパー踊り子号に乗っていた。

多香子は、どこへ行こうとしているのか…

この先…

ひとりで生きていくことはできるのか?

【終】
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