亡国の奴隷姫と独裁国家の狼王子 ~処刑寸前に仇の王子の奴隷に落とされました~

 その日、レイファスは執務のため、父である国王ラザックに呼び出されていた。
 その間、シルフィリアはいつもどおりレイファスの私室で待機していたところ、客がやってきたと先ぶれの声がかかった。

 シルフィリアは、仲のよい従弟を失ったばかりで、しかも、レイファスとの仲もうまくいっていない。
 悩みが尽きない彼女は、弱った心のままに、それが弟ジルクリフがやってきたものと早合点してしまったのだ。

 来訪者が誰かわかったときには、既に時は遅く、シルフィリアよりもはるかに大きなその巨体に、抱えられるようにして持ち去られてしまった。

 行く先は、王宮第二別館にある、第二王子の地下庭園。
 彼女を攫ったのはもちろん、狐の化身たる第二王子リチャードである。


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