振り向けば、キス。

⑤悪の見地から見た正義は悪だったりもする。

この世には、居たたまれないほどの数の人ならざるものが存在している。

人間は、想いを抱えている生き物だから。

死ぬときに、未練を持つことがある。

何かを恨んで死ぬこともある。


そんな魂は、浄土へと渡ることはできない。


例えば、冥土と現世が繋がっている間の出来事であるのならば、未練を持った故人の魂が彷徨っていたとしても問題はない。

しかし、現世に留まれる期間の区切りが過ぎても、この世を立ち去れない魂には、だんだんと、魂になってから溜まり始めた想いがこもってきてしまう。

それは、魂が、懐かしい故人から、怨霊へと、変わり始める瞬間でもあるのだ。


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