☆トライアングル☆
イヤだって動こうとしたけど私の体の上にかかるリクの体重の重さと、

片手で押さえつけられている両腕のせいで身動きができなかった。

私リクにこれから何されるんだろうって、そう思ったら怖くて、声が出なかった。

リクはそんな私におかまいなしで私の腕を押さえる手とは逆の手で優しく私の体をなぞっている。

リク、最近変だよ。

どうしちゃったの?

前はこんな事しなかったのに。

ねぇ、どうしちゃったのよ。

もう高校生なんだよ、私達。

お姉ちゃんと弟で
家族なんだよ。

そう思ったらちょっと何だか悲しくなって、リクがどうしてこんな事するのかわからなくて、とにかく怖くて、声も出せずに私はリクを怯えた目で見つめる事しか出来なかった。

泣きそうな顔の私を何故か悲しそうに見つめるリク。

悲しい気持ちなら私も負けないはずなのに、リクの方がもっともっと悲しそうに見えた。
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