交際0日婚でクールな外交官の独占欲が露わになって――激愛にはもう抗えない
「本当、私バカだよね。『愛してる』も『好き』も言ってもらってないのに、高校時代の淡い思い出に勝手に期待して、愛されてるんだって勘違いして。私は旭飛みたいに夢も叶えられないし、幸せな家庭も築けない。私の人生、ずっとこんなで――」
「それは、映茉のお人よしがすぎるんだよ」

 旭飛は彼にそっぽを向いて自嘲を続ける私にもなお、真剣な声色で紡ぐ。

「自分を犠牲にして生きてたら、永遠に幸せになんてなれねーだろ。でも――」

 旭飛は、私の顔を無理やりに覗いた。その真剣な瞳に、ごくりと唾を飲んだ。

「――俺なら、映茉を守ってやれる。映茉のこと、永遠に幸せにする」
「やめてよ、そんな冗談――」
「冗談なんかじゃない。今すぐ離婚しろよ。俺が、すぐに結婚してやる」

 冗談じゃないのは分かっている。けれど、私が思ってた以上に旭飛が本気で、私はどうしていいのか分からない。
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