おとぎ話と秘密の物語~あべこべ世界で人助けをする事になりました~
「そうしようかな」

 そう返事をしてソファに腰掛けると、シラユキさんは瞬く間に眠りについてしまいました。

 あくまでいつも通りに。
 彼の中で毎日していたタスクを、当たり前のようにこなす。
 お昼寝は彼にとって、一番大事なことでもありますから、私は大人しく見守ります。

 シラユキさんって、ちょっと動くと寝ちゃうイメージがあるんですよね。
 昔の反動……? と言うのでしょうか。
 当時、剣術、勉強で寝る間を惜しんでいたのを見るに、彼にとって今の生活は、ようやく訪れた休息のようにも思えます。
 そうやって考えると、社交界から離れることができた今は、本来とても喜ばしいことなのです。
 勿論、シェルディさんも社交界から離れた人という位置付けなります。

 森の中に籠るのも大変でしょうに……。

 私は汲んできた水をそのまま一口飲み込むと、シラユキさんの方を見つめました。

 長く伸びたまつ毛に、焼けていない白い肌。
 原作とは違いますが、ブラウンでカールした艶やかな髪の毛。
 見た目、性別は違えど、彼は間違いなく“シラユキ”さんなのでした。

 …………どうして、シラユキさんはシュネージュという名前を“捨てて”しまったのでしょう。

 考えているうちに、意識が朧気になっていくのを感じました。
 心地のよい雨の音を耳に取り込みながら、私は静かに眠りに落ちたのでした。
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