おとぎ話と秘密の物語~あべこべ世界で人助けをする事になりました~
一章

出会い

「だめだめだめーっ!」

 目を開けると、下には木が沢山並んでいました。つまり、森です。
 枝が刺さってしまったらどうしましょう。
 そんな夢の終わりがあってはなりません。目覚めた先で、恐怖でいっぱいになってしまいます。

 メキメキ、パリパリ、ドシンッ

 私は木々の合間を抜いながら地面に到着しました。
 もっと綺麗に着地できると思っていたのに、人生は甘くないようです。
 私は「いたた…」と、尻もちをついたところを撫でながら何とか立ち上がります。
 夢とはいえ、夢とはいえ、生きていてよかった。
 そんな気持ちになりました。

「……何、やってるの?」

 そんな時、木の幹にもたれかかっていたらしい、美しい青年が声をかけてきました。
 周りには、大きな音に驚いた動物達が、彼の頭の上を、体の上をパタパタと走り回っていました。
 私は素直に事情を説明すると、彼は納得したように膝の上のうさぎを撫で始めます。

(納得してしまいました……)

 これも夢、だからでしょうか。

「あ……、あっち」
「あっち……?」
「あっちに行けば、お城がある」

 青年はふわり、と指を差しながら言いました。
 指先には細い道があり、そこを歩け。ということみたいです。

「ありがとうございます!」

 私はお辞儀をすると、その場を立ち去ろうと道の方へ向かおうとしました。

「……シラユキ。少し先に、……多分、シェルディがいる」
「……っ! 私はマリアです! またお会いしましょう、シラユキさん!」

 私はもう一度、お辞儀をしました。
 シェルディさんにもご挨拶しておこう、私は先を急ぐことにしました。

 シラユキさん、見た目からは想像できませんでしたが、“シラユキ”と名乗るくらいですから、【白雪姫】でしょうか。
 白い肌に、一目見たいだけで綺麗なお顔立ちを考えると、おそらくそうなのでしょう。

 ここはもしかして、おとぎ話の住人が住んでる世界?

 私はそんな事を考えながら歩いていきます。
< 3 / 67 >

この作品をシェア

pagetop