おとぎ話と秘密の物語~あべこべ世界で人助けをする事になりました~

仲直り

「あ、あれ……マリア?」
「あ……、お邪魔してま……した」

 シェルディさんはぽかん、とした表情を浮かべますが、その後すぐ、ほっとしたように胸をなで下ろしました。

「はぁ……、何もなくてよかったぜ」

 シェルディさんは扉を締めながら、マントで汗を拭います。

「シェルディはほんと心配性だね。第一……、自分の心配をするべきじゃないの?」 
「あははっ、それもそう」

 いつものようなテンションで会話を繰り広げる二人を見ながら、私は嵐の前の静けさのような、そんな気持ちになりました。

 帰ったらとんでもないことになりそうな、でも、お邪魔しちゃ悪いですし、お二人が揃ったのならいなくなった方が絶対いいはずですし……。

 だけど、このモヤモヤは……なんでしょう。
 杞憂であれば、いいのですが……。

「……私、そろそろお暇……」

 帰らずとも、近くで様子を伺うのはアリかもしれません。
 何かあればすぐに駆けつけれますし――ね。

「待って」
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