女嫌いなはずの御曹司が、庶民の私を離しそうにない。
高校で日本に帰ることが決まると、父親には行きたい高校を選ばせてやると言われた。
だからオレは、何としてでも瀬那のいる学校に通うと決めた。
色々な伝手を使い突き止めた、瀬那の通う星彩学園。
かなり裕福な家庭の子どもばかりが通う学校だから意外だったけれど、特待生だと聞いて納得した。昔から頭は良さそうだったな、と。
そして中流家庭の娘である彼女は、きっと電車を使って通学しているはず。
そう当たりを付け、そわそわしながら待つオレの前に現れた瀬那は、想像していた通り、綺麗に大人っぽく成長していた。
もしかしてオレのことを覚えていないのではないかという不安はあったけど、少しヒントを出したらすぐ気付いてくれた。
きっと瀬那は運命の相手なんだ──なんて、つい浮かれてしまった。
それなのに──。
「はあ」
学園祭で周囲が大盛り上がりの中、オレは比較的人の少ない場所で校舎の壁にもたれかかりながら大きくため息をついた。