騎士団長様、クビだけは勘弁してくださいっ!

 ……と、思っていたのに。何故、私の部屋に見覚えのない大きな箱があるのだろうか?

 ようやく仕事が終わって帰ることが出来たというのに、部屋を開けてみればテーブルの上に大きな箱が。見たところ、上等なプレゼントボックス。

 これは、もしやお父様が何か……いや、それなら女子寮にいつもいる寮母が渡してくれる。となると、鍵がかかっているにもかかわらず、私の部屋に入れた人物という事になる。

 ……最近、この部屋に鍵を使わず入った人、いたっけ。

 いやまさか、と思いつつプレゼントボックスの上に置かれた小さなメッセージカードに目を向けた。


〝狩猟大会でこのドレスを着た君の姿を見られることを楽しみにしている〟


 この狩猟大会の警備員、参加者名簿まで把握している人。そして……赤のボックスに黒のリボン。確か、赤い瞳に、黒色の髪がよく似合っていらっしゃる方がいたような。

 ……後にしよう。うん、間違えて置いてしまったかという可能性もあるし、もしかしたら違う人なのかもしれない。もし送り主が正解で私へのプレゼントだったとしても、休日にゆっくりと中を確かめた方がいい。

 けれど、一番は……一体どれだけの金額で用意されたのかというところが気になる。だから、手を付けないほうがいいのではないだろうか。

 半ば現実逃避をするかのように私は女子寮の共用大浴場に向かった。
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