幼馴染[短編]
「あたしだって
 宮田はたいしたことないって
 思っていると思っていたよ。
 だからなかったことにしようとしたのに」

 あたしのファーストキスの思い出。

 どちらかともなく笑い出す。

 互いにずっと
 同じようなことを
 思っていたんだってこと。

 ずっと消したくて
 たまらなかった思い出で
 それでも彼のことが好きだったこと。

 悔しかったこと。

 そんなことがなんだか
 おかしかった。

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