不埒な一級建築士と一夜を過ごしたら、溺愛が待っていました
それからはお互いに無言で設計を続ける。
大幅な変更だったので、つじつまを合わせるために、全体に手を入れないといけなかった。
途中、おにぎりを食べ、眠気覚ましを飲み、ひたすら手を動かす。
気がつけば、朝方になっていた。
「瑞希、一度休んだらどうだ? 二階に仮眠室もあるぞ?」
目もとを片手でマッサージしながら、黒瀬さんが言う。
うとうとしていた私ははっと目を開いた。
仮眠には惹かれたが、思うように進んでいない私はかぶりを振った。
「まだ、四分の一も終わってないんです……」
「少しでも休め。疲れすぎると頭も働かないだろう」
「でも……」
「大丈夫だ。間に合う!」
力強い言葉にほっと肩の力が抜けた。
たしかに、眠気と戦っていては効率が悪い。一度休んで集中したほうがいいかもしれない。
「じゃあ、二時間だけそこのロッキングチェアで休ませてもらいます。横になると起きられる自信がないから」
私は一度深い眠りに落ちると、ちょっとやそっとでは起きない。
スマートフォンのアラームをいくつもつけて、私はロッキングチェアに座った。
黒瀬さんに二時間後に絶対起こしてくださいと頼んで、目を閉じる。
目の裏に、見続けたパソコン画面の残像が映っている。
疲労で身体が泥のように重いけど、頭が興奮しているのか、なかなか寝つけない。
それでも、いつの間にか眠りに落ちていたようで、ピピッという電子音に目覚めた。
ロッキングチェアの上で身体を丸めていた私に上着がかけてあった。
黒瀬さんのものなのだろう。かすかにシトラスの香りが混じる彼の匂いがする。
「ありがとうございました。スッキリしました」
上着を返し、またコーヒーを淹れて、図面と向き合う。
土曜日の夜には、黒瀬さんは自分の担当部分を終え、私の残りのものを手伝ってくれた。
(あと十二時間……)
まだ半分以上残ってる。
焦る気持ちをなだめつつ、手と頭を動かす。
迷ったときはすかさず黒瀬さんに相談する。
焦りを見せない彼がこんなに心強いとは思わなかった。
そのあと私はもう一度ロッキングチェアで短い眠りを取らせてもらったけど、黒瀬さんは一度も休んでいない。
『二徹ぐらいなら慣れてるから大丈夫だ』と言って。
(あと三時間……。間に合うの? ううん、やるしかない!)
私たちは必死で設計を続けた。
大幅な変更だったので、つじつまを合わせるために、全体に手を入れないといけなかった。
途中、おにぎりを食べ、眠気覚ましを飲み、ひたすら手を動かす。
気がつけば、朝方になっていた。
「瑞希、一度休んだらどうだ? 二階に仮眠室もあるぞ?」
目もとを片手でマッサージしながら、黒瀬さんが言う。
うとうとしていた私ははっと目を開いた。
仮眠には惹かれたが、思うように進んでいない私はかぶりを振った。
「まだ、四分の一も終わってないんです……」
「少しでも休め。疲れすぎると頭も働かないだろう」
「でも……」
「大丈夫だ。間に合う!」
力強い言葉にほっと肩の力が抜けた。
たしかに、眠気と戦っていては効率が悪い。一度休んで集中したほうがいいかもしれない。
「じゃあ、二時間だけそこのロッキングチェアで休ませてもらいます。横になると起きられる自信がないから」
私は一度深い眠りに落ちると、ちょっとやそっとでは起きない。
スマートフォンのアラームをいくつもつけて、私はロッキングチェアに座った。
黒瀬さんに二時間後に絶対起こしてくださいと頼んで、目を閉じる。
目の裏に、見続けたパソコン画面の残像が映っている。
疲労で身体が泥のように重いけど、頭が興奮しているのか、なかなか寝つけない。
それでも、いつの間にか眠りに落ちていたようで、ピピッという電子音に目覚めた。
ロッキングチェアの上で身体を丸めていた私に上着がかけてあった。
黒瀬さんのものなのだろう。かすかにシトラスの香りが混じる彼の匂いがする。
「ありがとうございました。スッキリしました」
上着を返し、またコーヒーを淹れて、図面と向き合う。
土曜日の夜には、黒瀬さんは自分の担当部分を終え、私の残りのものを手伝ってくれた。
(あと十二時間……)
まだ半分以上残ってる。
焦る気持ちをなだめつつ、手と頭を動かす。
迷ったときはすかさず黒瀬さんに相談する。
焦りを見せない彼がこんなに心強いとは思わなかった。
そのあと私はもう一度ロッキングチェアで短い眠りを取らせてもらったけど、黒瀬さんは一度も休んでいない。
『二徹ぐらいなら慣れてるから大丈夫だ』と言って。
(あと三時間……。間に合うの? ううん、やるしかない!)
私たちは必死で設計を続けた。