大河ドラマ・乳房星(たらちねぼし)

【上海帰りのリル】

さて、その頃であった。

またところ変わって、国電光駅の待合室の中にあるキオスクにて…

私は、キオスクのカウンターに置かれている10円の赤電話で電話をかけていた。

「もしもし、(△△△さまの知人)さまのおたくでございますか?…私は、イワマツキョウコの息子のコリントイワマツヨシタカグラマシーでございます…あの…私は、広島市のトーカイチマチでかつて暮らしていたシロキさんを探しているのです…ええ、トーカイチマチでシチヤをいとなんでいたシロキさんですが…ええ!!…そんな…どうして亡くなられたのですか!?…分かりました…お忙しい中をすみませんでした…はい…はい…」

(ガチャ…ジャラジャラジャラジャラジャラジャラ…)

受話器を置いた私は、がっくりと肩を落とした。

返却口から10円玉が大量に出た。

(ザザーン、ザザーン、ザザーン…)

時は、12時40分頃であった。

またところ変わって、虹ケ浜の海浜公園にて…

私は、ラジオを聴きながら海を見つめていた。

イヤホンから南海放送ラジオで放送されていた『想い出のリズム』が流れていた。

曲は、根津甚八さんの歌で『上海帰りのリル』に替わった。

昭和26年に津村謙さんが歌っていた曲をスローテンポにアレンジしたバージョンで流れていた。

歌を聴いていた私は、悲しげな表情でつぶやいた。

ママ…

ママ…

ママに会いたい…

私がちいちゃい時に恋したママは…

どこにいるのだろうか…

………………………
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