大河ドラマ・乳房星(たらちねぼし)
第50話・私鉄沿線

【愛と言う名の勇気】

(ボーッ、ボーッ、ボーッ…)

時は、いつ頃かよくおぼえていないが2031年4月29日の昼頃だったと思う。

100億人規模の超特大豪華客船は、オーストラリアの港から出航したあとインド洋〜喜望峰をまわって欧州方面へ向かっていた…と思う。

私は、船内にあるベッドルームにいた。

私の身体は、少しずつだが衰弱していた。

この時間、私はベッドで眠っていた。

アンナとフランソワさんとミンジュンさんとマァマは、眠っている私のそばにいた。

ミンジュンさんは、眠っている私の身体を測定していた。

測定が終わったあと、ミンジュンさんはけわしい表情で言うた。

「今のヨシタカさまは、少しずつですが…体力が弱っています…血圧の上の値が90台に低下しました…昨日の昼前に測定したところ…上の値が97…でした…おとといは、101で100台に戻りました…しかし…数日前には…(血圧の)上の値が一時80台に低下しました…血圧値を維持するための薬は投与していますが、ヨシタカさまの身体が危機的な状態におかれていることに変わりはありません…引き続き…ヨシタカさまの容態を注意深く見守っていきます。」
「うん…分かったわ。」

ミンジュンさんは、水銀の血圧計と電子体温計をお医者さんカバンに収納した。

このあと、アンナとフランソワさんとミンジュンさんとマァマは、眠っている私の見守りに入った。

……………………………

(ボーッ、ボーッ、ボーッ…)

時は、4月30日の深夜3時頃であった。

私は、目をさましたあとゆっくりと起き上がった。

ベッドルームの窓に夜の海が写っていた。

客船《ふね》は今…

どのあたりを航行しているのか…

ぼんやりとした表情を浮かべている私は、窓に写っている夜の海を見つめながら考え事をしていた。

この時、私は1981年夏から1984年3月末頃までにあった出来事を思い出した。
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