大河ドラマ・乳房星(たらちねぼし)

【男の忘れ物】

またところ変わって、警察署内にある取調室にて…

取り調べ室の中に小久里《おぐり》と警視庁の刑事たち20人がいた。

小久里《おぐり》は、警視庁の刑事たちに対して弱々しい声で言うた。

「14年前の夏に高尾山にピクニックに来ていた徳田藍子さんと友人の女性を襲った…もう一人の女性が逃げたので…徳田藍子さんをレイプして殺しました…犯行の動機は…徳田藍子さんがかわいかったから…」

警視庁の刑事たちのリーダーの目つきの悪い刑事が小久里《おぐり》に言うた。

「かわいかったので…徳田藍子さんを強姦した…そして殺した…他に動機は!?」

小久里《おぐり》は、女々しい声で泣きながら『ありません。』と答えた。

リーダーの目つきの悪い刑事は、小久里《おぐり》に対して怒った声で言うた。

「それじゃあ、山梨県《やまなし》で発生した連続強姦殺人事件の動機も同じだね!!」

小久里《おぐり》は、女々しい声で『被害者の女性たちがかわいかったから…つい…』と供述した。

目つきの悪い刑事は、小久里《おぐり》に対してこう言うた。

「それじゃあ、昭和45年8月26日に愛知県《あいち》で発生した強姦殺人事件についてはどうなんだ!?」
「おれは(被告人)に頼まれたのだよ〜」

(ドカッ!!ドスン!!)

小久里《おぐり》は、目つきの悪い刑事に右足でわき腹を激しくけとばされたあと床に倒れた。

(ガツーン!!)

「ギャアアアアアア!!」

目つきの悪い刑事は、金具のついたクツで小久里《おぐり》の背中を激しくけとばした。

小久里《おぐり》は、叫び声をあげた。

目つきの悪い刑事は、小久里《おぐり》に対して怒った声で言うた。

「オラオドレ!!オドレのダチ(被告人)が上告審《さいばん》の時に裁判長に対して(名古屋高裁に)差し戻してくれと申し出たと言うことが分からんのか!?」
「(被告人)が…(名古屋高裁に)差し戻してくれって…聞いてねえよ…」

(ドカッ!!)

「ああああああああああああああああああああああああああああああああ!!」

この時、気の荒い刑事が金具のついたクツで小久里《おぐり》のわき腹をけとばした。

小久里《おぐり》は、叫び声をあげた。

「おい!!(名古屋高裁に)差し戻しを要求した(被告人)が『小久里《おぐり》が阿波野小巻《こまきさん》を襲ってくれ』と頼んだと話していたぞ!!…オラオドレ!!」

(ギュウウウウ…)

「いたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたい…」

クソ生意気な面をしている刑事が金具のついたクツのかかとで小久里《おぐり》の背中を踏みつけながら言うた。

「おい、本当のことをいえ!!」
「阿波野小巻《こまきさん》のことは知らないよ〜」

この時、コワモテ顔の刑事が小久里《おぐり》に対してこう言うた。

「おい、これ以上テイコウしたら痛い目に遭うぞ〜…痛い目に遭いたくないのであれば吐くのだな〜」
「ほんとうに知らないよ〜」
「オラオドレ!!立て!!」

(ドカッ!!)

この時、クツ生意気な面をしている刑事が小久里《おぐり》を立たせたあとグーで顔を殴りつけた。

このあと、小久里《おぐり》は刑事たちからボコボコに殴られた。

刑事たちは、口々に小久里《おぐり》に言いながらグーで殴りつけた。

「オラオドレ!!」
「なんなのだよ〜」
「オドレが阿波野小巻《あわのこまきさん》と交際していたことと別れ話がこじれたことなどを(被告人)が全部吐いたのだよ!!」
「違う!!オレは違う!!」
「ふざけるなクソバカ!!」
「オドレは他にも…10年前に東京と埼玉で発生した7件の強姦殺人事件を犯した…新たに判明した強姦殺人事件についてもオドレに対して逮捕状が出ているのだよ!!」
「オレは無実だ〜」
「甘えるなクソバカ!!」
「オラオドレ!!」
「許してくれ〜」

取り調べ室に小久里《おぐり》の女々しい声と警視庁の刑事たちの怒号が響いた。

…………………………

さて、その頃であった。

またところ変わって、警察署内《しょない》にある生活安全課《せいあん》にて…

私は、生活安全課《せいあん》の男性職員と一緒にお茶をのみながら話をしていた。

私は、男性職員に声をかけた。

「小久里《おぐり》が他にも強姦殺人事件を起こしていたことが新たに判明したのはほんとうですか?」
「ええ…そうです。」
「それはいつ頃に発生したのですか?」
「たしか、昭和48年頃でした…東京と埼玉であわせて7件でした。」
「被害者の女性は?」
「女子大生でした。」
「被害者は女子大生。」
「はい…その点については…警視庁《ほんちょう》で取り調べると言うことです。」

私は、紺色と白の水玉模様の湯呑みに入っているお茶をのみほしたあと男性職員に声をかけた。

「あの〜、話を変えますが…霊安室に安置されていた女性のことでございますが…」

私の問いに対して、男性職員はこう答えた。

「霊安室に安置されていた被害者の女性は、小久里《おぐり》の妹さまです。」
「あの、薩摩川内市《こちら》に小久里《おぐり》の妹さんの身寄りの方はいらっしゃいますか?」
「いらっしゃいますよ。」
「それはどちらさまでしょうか?」
「たしか…ダンナさまのご実家がありました。」
「ダンナさまのご実家?」
「そうです…ただですね…」
「ただですね…って?」
「非常に言いにくい話でございますが…被害者の女性は、ダンナさまの実家の人たちと不仲になっているのです。」
「なんだって!?ダンナの実家の人間と不仲になっている…それどう言うことでしょうか!?」
「どう言うことでしょうかと言われても分かりません。」
「あの、たとえばの話でございますが…ダンナさまのご実家の人間の中で被害者の女性…小久里《おぐり》の妹さんのことが大キライだと言うた方がいると思います。」
「それはどちらさまでしょうか?」
「考えられるのは、義母・義妹…でしょうか…」

男性職員は、私に対してこう答えた。

「コリントさまがおっしゃられた義母または義妹が被害者の女性の方をきらっていたと思います…ただですね~」
「ただですねって…」
「被害者の女性の…義母さまはおだやかな方でした。」
「ダンナのごきょうだいたちは?」
「義弟《おとうと》が4人と義妹《いもうと》が1人いまして…被害者の女性の下の義きょうだいたちもいい人たちでした。」
「おかしいな〜」

男性職員は、私に対してこう言うた。

「あっ思い出した。」
「思い出した?」
「たしか…ダンナの上に1人ごきょうだいの方がいらっしゃいました。」
「その方はどちらさまでしょうか?」
「たしか…義姉《あね》がいました…コリントさまがおっしゃられた被害者の女性をきらっていた人間です。」
「その方は実家にいらっしゃっいますか?」
「いません。」
「いらっしゃらない…」
「被害者の義姉《あね》はたしか…家出したあと博多へ行きました。」
「博多へ行った?」
「ええ…今は、戸畑におみせを構えたので…」
「生活の拠点は戸畑にあると言うことですね。」
「ええ。」
「なんで被害者の女性をきらっていたのですか?」
「うらやましかったのじゃないですか?」
「うらやましかった!?」
「ええ…義姉《おねえさま》は、過去に結婚することをヤクソクしていた人がいたのですよ…婚約者に裏切られたことなどでつらかったのですよ…ダンナさまと被害者の女性がラブラブになっていたのをみて…悲しくなったのですよ。」

それはほんとうか…

私は、ものすごく疲れた表情でつぶやいた。

次から次へといらない話ばかりが入ってくるので、すごくうんざりだ…

いらないもめごとにふりまわされるのはもうたくさんだ…

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