身代わり婚~暴君と呼ばれた辺境伯に拒絶された仮初の花嫁
12-13 浮かれるエルウィン
「あ、エルウィン様だ!」
「エルウィン様!」
食事をしていたミカエルとウリエルが立ち上がった。
「まぁ、いけませんよ。ミカエル様、ウリエル様。お食事中立ち上がっては」
「あ、そうだった!」
「いけない!」
アリアドネに諭されて、慌てて座るウリエルとミカエル。
「ハハハハハ……どうだ美味いか? 2人とも」
エルウィンは笑いながら部屋に入ってきた。
「はい、美味しいです」
「美味しいよ〜」
「あの、エルウィン様はお食事は召し上がられたのですか?」
「いや、まだだが?」
アリアドネの質問に首を振るエルウィン。
「でしたら、ミカエル様とウリエル様と御一緒にお食事を召し上がっていかれませんか? エルウィン様のお召し上がりになれる分はありますので」
アリアドネが銀のワゴンに乗った料理のフードカバーを開けた。
すると、まだ温かな湯気の立つ野菜とパンのチーズがたっぷりかかったグリル焼きの料理が現れた。
「これは美味そうだな」
香ばしいチーズの香りを満足そうに嗅ぐエルウィンにミカエルとウリエルが口々に言った。
「チーズが最高だよ」
「うん、この料理すごく美味しいんだよ」
「そうだな……それでは頂こうかな?」
エルウィンはテーブル席に着いた。
「ではすぐに御用意致しますね」
「ああ、頼む」
アリアドネが給仕をしているそばでミカエルがエルウィンに話しかけてきた。
「僕達、エルウィン様にお願いがあるんです」
「お願い……? 珍しいな。お前たちの方から俺にお願いをしてくるなんて。どんな願いだ? 他ならぬお前たちの願いなんだからな。遠慮せずに言ってみろ」
エルウィンはにこやかな笑みを浮かべ、ミカエルとウリエルを交互に見た。
「僕達、弱い人達を守れるような立派な騎士になりたいんです」
「エルウィン様やロイのように強くなりたいんだ」
ミカエルに続き、ウリエルがエルウィンに訴えてきた。
「お前たち……」
エルウィンは2人の言葉に感動した。
(まだまだ小さい子供達だと思っていたのに、いつの間にかこんなことを言うようになっていたのか……)
「よし、分かった。いいぞ、お前たちの望むような立派な騎士になれるように訓練を受けるといい。俺も協力するぞ?」
「本当?」
「ありがとう、エルウィン様!」
ウリエルとミカエルが礼を述べたところで、エルウィンの前にトレーに乗せられた湯気の立つ料理が置かれた。
「お待たせいたしました、エルウィン様」
スープにサラダ、ボイルドエッグに野菜とパンのグリルチーズ焼きの料理はどれも美味しそうだった。
「うん、美味そうだ。よし、食べるか」
「ごゆっくりどうぞ。私はリネン室に用事があるので暫く席を外しますので」
「ああ、分かった」
エルウィンは返事をした。
そしてミカエルとウリエルと一緒に料理を食べながら騎士としての心構えを熱く語り……食事を終えたエルウィンは満足気に2人の部屋を後にした。
(まさか、あの臆病な子供だったミカエルとウリエルが騎士を目指したいと言い出すねんて……。早速スティーブにも報告しなくては)
エルウィンはすっかり浮かれた気分だった。
その為、自分が何をしにあの部屋へ行ったかのかを忘れていたのだ。
アリアドネを説得すると言う、肝心な目的を――
「エルウィン様!」
食事をしていたミカエルとウリエルが立ち上がった。
「まぁ、いけませんよ。ミカエル様、ウリエル様。お食事中立ち上がっては」
「あ、そうだった!」
「いけない!」
アリアドネに諭されて、慌てて座るウリエルとミカエル。
「ハハハハハ……どうだ美味いか? 2人とも」
エルウィンは笑いながら部屋に入ってきた。
「はい、美味しいです」
「美味しいよ〜」
「あの、エルウィン様はお食事は召し上がられたのですか?」
「いや、まだだが?」
アリアドネの質問に首を振るエルウィン。
「でしたら、ミカエル様とウリエル様と御一緒にお食事を召し上がっていかれませんか? エルウィン様のお召し上がりになれる分はありますので」
アリアドネが銀のワゴンに乗った料理のフードカバーを開けた。
すると、まだ温かな湯気の立つ野菜とパンのチーズがたっぷりかかったグリル焼きの料理が現れた。
「これは美味そうだな」
香ばしいチーズの香りを満足そうに嗅ぐエルウィンにミカエルとウリエルが口々に言った。
「チーズが最高だよ」
「うん、この料理すごく美味しいんだよ」
「そうだな……それでは頂こうかな?」
エルウィンはテーブル席に着いた。
「ではすぐに御用意致しますね」
「ああ、頼む」
アリアドネが給仕をしているそばでミカエルがエルウィンに話しかけてきた。
「僕達、エルウィン様にお願いがあるんです」
「お願い……? 珍しいな。お前たちの方から俺にお願いをしてくるなんて。どんな願いだ? 他ならぬお前たちの願いなんだからな。遠慮せずに言ってみろ」
エルウィンはにこやかな笑みを浮かべ、ミカエルとウリエルを交互に見た。
「僕達、弱い人達を守れるような立派な騎士になりたいんです」
「エルウィン様やロイのように強くなりたいんだ」
ミカエルに続き、ウリエルがエルウィンに訴えてきた。
「お前たち……」
エルウィンは2人の言葉に感動した。
(まだまだ小さい子供達だと思っていたのに、いつの間にかこんなことを言うようになっていたのか……)
「よし、分かった。いいぞ、お前たちの望むような立派な騎士になれるように訓練を受けるといい。俺も協力するぞ?」
「本当?」
「ありがとう、エルウィン様!」
ウリエルとミカエルが礼を述べたところで、エルウィンの前にトレーに乗せられた湯気の立つ料理が置かれた。
「お待たせいたしました、エルウィン様」
スープにサラダ、ボイルドエッグに野菜とパンのグリルチーズ焼きの料理はどれも美味しそうだった。
「うん、美味そうだ。よし、食べるか」
「ごゆっくりどうぞ。私はリネン室に用事があるので暫く席を外しますので」
「ああ、分かった」
エルウィンは返事をした。
そしてミカエルとウリエルと一緒に料理を食べながら騎士としての心構えを熱く語り……食事を終えたエルウィンは満足気に2人の部屋を後にした。
(まさか、あの臆病な子供だったミカエルとウリエルが騎士を目指したいと言い出すねんて……。早速スティーブにも報告しなくては)
エルウィンはすっかり浮かれた気分だった。
その為、自分が何をしにあの部屋へ行ったかのかを忘れていたのだ。
アリアドネを説得すると言う、肝心な目的を――