線香花火が消えるまで一緒にいさせて、傍にいて。
「これで冷えねえだろ」

「……暑いんですけど」

「まあ、そう言うなって。おやすみ」

「おやすみ」


私達は朝まで抱き合って眠った──。



────数日後、再び颯汰の部屋に訪れると、可愛い子ちゃん達が普段どーーり置かれていて、喧嘩になったのは言うまでもない。




「その辺の配慮がなんっっで、できないかな」 

「だぁからクセだって。片付け忘れたの!!」

「嫌がらせ!?」

「ちげぇよ!!こんな嫌がらせしても俺にメリットねぇじゃん!!」


地味に傷つくからやめて欲しいんだけど。この可愛い子ちゃんコレクション(エロ本・エロDVD)。私と真逆すぎるから尚更嫌だ。

でも、こんなの今に始まったことじゃないから、あまり否定もし過ぎたくはない。正直コソコソやって欲しいっていうか、オープンにして欲しくないだけなのよ。

とにかく、せめて隠せよ頼むから。まあ、捨ててくれるのが一番嬉しいけど。


「颯汰」

「な、なんだよ……」

「私のことが好きなら隠すか、捨てて」

「隠します」

「即答かよ!!!!」


少しくらい迷えよ。捨てようか迷えよ。

そんな曇り無き眼で『隠します(絶対に捨てません)』っていう強い意志を見せつけてくんな!!


「ああそう。次、隠してなかったら容赦なく捨てるからね。自分の可愛い子ちゃん達は自分で守りな」



──── こうして私は、颯汰の可愛い子ちゃんを何回も捨てるはめになったとさ。



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