異動する先輩から食事に誘われたら
「俺、異動になるじゃん。フロアが違うから、もう会わなくなるかもね」

「そうですね」

「それってなんか嫌だな、って思っちゃったんだよね」

 え?
 私は内心で驚きを隠せない。

「君さ、いつも嫌がらずに雑用を引き受けて真面目で一生懸命で、笑顔が素敵だな、って思ってて」

 そんなこと思われてたなんて、思いもしなかった。

 先輩が振り返り、目線が思い切りぶつかった。心臓がどきんと大きく脈打つ。

「良かったら、明日また会えない?」
「ごめんなさい」
 私は謝った。

 先輩が、はあっとため息をついた。
「ダメかあ。残念」

 先輩が苦笑する。私は慌てて付け足した。

「明日は法事があるので。あさっての日曜か、次の土曜日なら空いてます」
 先輩が目を丸くした。

「まじ? じゃあ両方予約!」
 先輩がうれしそうに言う。

 私の目はその笑顔に釘付けになった。

「次はきっと君を楽しませて見せるから」

 親指を立ててニッと笑う先輩に、私は顔を赤くして頷いた。






< 4 / 4 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:15

この作品の感想を3つまで選択できます。

  • 処理中にエラーが発生したためひとこと感想を投票できません。
  • 投票する

この作家の他の作品

表紙を見る 表紙を閉じる
柚花は宝石店『パリュール』の副店長をしている。 恋人を取られ、店長が入院して公私ともに大変。 そんなとき憧れだった人が「店長代理」としてやってきて……。 9月30日完結。 お読みいただき、ありがとうございます! 24/10/7 中短編部門で1位を獲得しました! 初の1位に感無量です! みなさま本当にありがとうございます!!! 25/1/30 めちゃコミック×LScomic×魔法のiらんど漫画原作コンテスト 「エリート上司との偽装恋人」部門にて 佳作を受賞いたしました! ありがとうございます!
表紙を見る 表紙を閉じる
第2回ベリーズ文庫デビュー応援コンテストにて .。゚+..。゚+. 大賞 .。゚+..。゚+ を頂きました。 みなさまありがとうございます。 ☆彡.。.:*・☆彡.。.:*・☆彡.。 24/11/10にアンソロジー発売! 『悪い男の極上愛』に 『世界最悪の外交官に偽装告白したら 溺愛が待っていました』 とタイトルを変更して収録。 書籍では大幅に加筆修正して、 ヒーローはもっとかっこよく、 溺愛シーンも増やしています! ☆彡.。.:*・☆彡.。.:*・☆彡.。 朱鳥(あすか)は売れないウェブライターだ。 迷子を保護しようとしたとき、悪徳外交官と知り合う。 幼女誘拐で世界に悪名を馳せて 世界中から敵視されている外交官だ。 外交官特権で逃げたので話題になった。 契約更新の特ダネのために彼に近付くのだが、 彼の甘い態度に朱鳥はよろめく。 彼は本当に誘拐をしたのだろうか。 真実はどこにあるのだろうか。 そんなとき、元カレが怪しい動きをして……。
私と彼の溺愛練習帳

総文字数/129,571

恋愛(その他)192ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
小萩雪音(こはぎ・ゆきね)は彼氏にフラれた夜、 ドローンにぶつかられ 風泉閃理(かざみ・せんり)と知り合う。 彼はドローンアーティストだった。 中性的な美しさがあって まるで月のようだった。 大人の関係に抵抗のある雪音だが、 彼にやつあたりで 「抱いて」と言ってしまう。 「僕が溺愛してあげる」 彼はそう言って 優しく雪音を抱きしめる。 ぐるぐるして、同じところを回るようでいて 螺旋階段のようにのぼっていく恋。 その先に二人を待つのは……。 追いかけて読んでくださった方、 ありがとうございます。 完結しました。 読んでくださったみなさま ありがとうございます。 第2回comic Berry’sマンガシナリオ大賞にて 佳作をいただきました。 ありがとうございます!! 番外編があります。 気になった方はお手数ですがプロフィールから 作品一覧でご覧ください。

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop