私と先生の秘密の時間

ココア

しばらくは意識してしまって放課後に生物室には行けなかった。
これじゃ先生に変な誤解をされてしまうと思い、今日は思い切って行こうと決めた。
決めたのはよかったが、実際に行ったら私しかいなかった。
どうしようと悩んでいたら、準備室のドアが空いて片瀬先生が顔を出した。


「よかったです。やっと椎名さん来てくれましたね。」


先生はよかったと安心した顔をしていたが、何だか疲れた顔もしていた。


「先生、疲れてるんですか?何だか元気ないですよ。」


私が言うと「ここのところ忙しかったので。」と先生が答えた。
そういえば前に言ったことを思い出した。


「先生、ココア私が入れます。休憩して下さい。前に、先生が疲れた時は私がココアを入れますと言いましたよね。」


「そーでしたね。そしたらお願いします。」


先生は私に生物準備室の方においでと手招きした。
私は生物準備室で、先生のカップと自分のマグカップにココアを入れて持ってきた。
先生は「ありがとうございます。」と言って、私からカップを受け取った。
一口飲んで落ち着いたところで先生が私に謝ってきた。


「この間は突然触れてしまいすみませんでした。驚きましたよね?椎名さん、ここのところ来てなかったので心配してたんです。」


先生は申し訳なさそうに言ってきた。


「驚きましたけど、嫌じゃなかったです。だから、そんなに気にしないで下さい。」


私は先生に笑って答えた。
「よかったです。」と言い、先生も笑い返してくれた。
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