私と先生の秘密の時間
あれから先生は特に何も変わらずである。
やっぱり鈴音の考えすぎなんだよって思っていた。
今日は先生に放課後生物準備室に来て欲しいと言われていたので向かっていた。
生物準備室の前に来た時に中から話し声が聞こえた。
あの子の声だ。


「先生は彼女いますか?」


「大切な人がいますよ。」


「私、先生のことが好きなんです。例え彼女がいたとしても諦めません。今日はそれを伝えたかったんです。」


そう言って部屋から出てきそうだったので、私は慌てて廊下の角を曲がって隠れた。
ドアが閉まる音がして人が歩いて行ったのがわかったので静かに近づきドアをノックした。
「どうぞ。」といつもの優しい声で返事が返ってきた。
「失礼します。」と言って私は中に入った。
先生は机に向かっていた顔を上げて私だとわかると「おいで。」と言って手招きした。
私はいつものように先生にギュッと抱きついてくっついていた。


「どうしたの?」


先生は私の様子がいつもと違うのに気がついて聞いてきた。
私は正直にさっきの会話が聞こえてしまったことを話した。


「心配しなくても大丈夫だよ。きちんと「大切な人がいる」とはっきり言ったから。」


「先生のこと信じています。でも、諦めませんって言ってたから不安です。」


私はもう一度ギュッと抱きついてそのままだった。
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