アイドル彼氏
壊れかけのカケラ




―啓―


ダンッ!!!


そこらへんに置いてあったゴミ箱を蹴とばした。


その衝撃でゴミ箱が乱暴な音をたて倒れた。




「ちょっと啓くん!?」


スタジオから丁度出て来た田代さんに見つかってしまった。


「なんかあったの?」


散らばったゴミたちを綺麗に拾いあげてゴミ箱を元に戻した田代さんがため息をついて言った。


「別に…ちょっとイラついただけです。。」


「…陸君達と喧嘩でもしたの??」


「喧嘩じゃないですよ。。」


「そ。なら良かった。。本番前から喧嘩されちゃスタッフの人に迷惑になっちゃうからね。。」


「そうですね。」


「んじゃ、あと10分だからスタジオ入ってて。。」

俺にそう言うと駆け足で陸達がいる楽屋へと向かった。


「…メンドくせ…」




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