《連載中》波乱の黒騎士は我がまま聖女を甘く蕩かす〜やり直しの求愛は拒否します!
 
 一斉礼拝が終わったあと、治癒室に向かうグレースへの挨拶もそこそこに、ユフィリアはそそくさと礼拝堂を出た。
 昨日のようにあの黒騎士に付いて来られてはかなわない。

 ——悪目立ちをしてた方がまだ良かった。
 周囲から悪態を吐かれるくらいが丁度良かった。
 《《レオヴァルトみたいな》》男が私の婚約者だなんて、あのイザベラが黙っているわけがない。

 振り返れば、礼拝堂の入り口に人の輪ができている。
 色めきだつ人の輪の中心には、若い聖女たちに囲まれて身動きが取れず、困った顔をしているレオヴァルトの上半身が見えた。

 欲しいものはどんな汚い手を使っても手に入れようとするのがイザベラだ。
 ユフィリアの《持ち物》ならば尚更——かつてユフィリアの隣にいた、聖騎士ルグランのように。




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