初恋、叶えてもいいですか?
「ねえ、聞いて大西くん」
真顔で大西くんの顔を見つめると、大西くんは目を丸くしてこちらをみている。
「初恋って、人生でたった一度しかない尊いものなんだよ?だから最初から諦めたりしないで、頑張ってほしいの!私も全力で応援するから」
「いや、応援って……」
「……あ、ついさっき振られたばかりの私のパワーじゃ弱いかもしれないけど……」
熱弁していた私だけど、自分が失恋したばかりだったことを思い出した。
振られた女のパワーなんて、迷惑すぎる。
そのせいで大西くんまで振られるなんてことがあったら、私はどう責任をとればいいの……!?
一人で頭の中で焦っていると、大西くんは隣で俯いて、口元を押さえながら肩を揺らして静かに笑っていた。
「大西くん……、あの……、」
やっぱり今の忘れてもらおう!そう思った時、大西くんはついに声を出して笑い始めた。