ソウルメイト~男女の親友ってあるの?
その事を俺はこの時に知る術はない。

そりゃそうだよな。

別に俺じゃなくたってよかったんだ。

前向きに考えれば

<究極の社会勉強>

と、思えばいい。

俺はそれで何年も棒にふったんだから、高い授業料だけどな。

当時涼子に出会った俺は、春先に高校を卒業し、

働き始めて1ヶ月もしないうちに会社を辞めて、

涼子の住む東京に向かったんだ。

もう真っ直ぐに涼子しか見えなくなっていた。 

ずっと側にいてほしい、離れたくない・・。

俺は東京で仕事を探し、アパートを借りて半年の間、涼子と同棲生活を送った。

涼子の家は荒れていたので、涼子が親に黙って俺と同棲してることには何の問題もなかった。

毎日が楽しくて仕方ない時期で、

それはまだ携帯電話もない時代だったが、二人はいつも繋がっていた。

涼子さえいれば何もいらない。

仕事も頑張れる。

こんな幸せがあるんだな。

生まれてきてよかったと心底思っていた。

そして俺が人を疑うことを知らない

<唯一、純な時期>

でもあった。

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