1日限りのニセ恋人のはずが、精鋭消防士と契約婚!?情熱的な愛で蕩かされています
紗彩も警察でいろいろと質問されたが、山岡が書類を段ボールに入れていたのを見ただけだったので、聞き取りはすぐに終わった。
そもそも秋葉が自首した時にほとんど話していたから、大まかな事件の背景は明らかになっていた。
五年前からの横領はほぼ山岡の独断で行われ、秋葉は誤魔化すのを手伝っただけのようだ。
ただ自首したとはいえ、本社ビルでの放火と紗彩の殺人未遂の罪からは免れられない。
すべてを話し終えた秋葉は、すっかり心が壊れてしまったらしい。
自分が何をしたのか、山岡のことを愛していたのかどうかもわからない様子だという。
それが犯してしまった罪に対しての罰なのか、紗彩にはわからい。
この事件は新聞やニュースで大きく報道されたが、会社の不祥事というより山岡と秋葉の不倫関係が世間の注目を集め、梶谷乳業はすっかり被害者になっていた。
やがてあちこち逃げ回っていた山岡は東南アジアに逃れようとしたところ、関西国際空港で逮捕されたというニュースが伝わってきた。横領していた金は、外国の銀行でプールしていたようだ。
山岡は裁判を受けて、きっちり罪を償うことになるだろう。
母は信頼していた山岡と秋葉に騙されていたことに、かなりショックを受けていた。
それでも梶谷乳業の社長を責任を取って辞職すると申し出てからは、重い荷物を下ろしたようで穏やかな表情に戻っていた。
辞職を受けて臨時の役員会が開かれ、株主総会を経て梶谷乳業は正式に白川ホールディングスの傘下に入ることが決まった。
新社長は白川ホールディングスの人材の中から、結都の父が信頼する人物になる予定だ。