ご先祖様の力を借りて。

第一話 始まりの出会い

「お姉ちゃん! あたしの部屋掃除しといてって言ったよね!? 埃が残ってたんだけど!?」


金切り声が部屋に響く。

……もうこれで何度目だろう。

使用人がいるのに掃除を私にやらせるとか、絶対嫌がらせのためだ。

私は使用人じゃないんだから埃残ってるのは当たり前なのに。

馬鹿なのかな?

……いや、頭は良いほうだったけ。

学校の成績、たしか上のほうだったから。


「ねぇ! 聞いてるの!?」

「あ、はい。すみません」

「だーかーらっ! 今日はもう部屋から出てこないでよね! ほんとのろまなんだから!」

「わかりました」

「ふん、わかったらさっさと部屋に戻って!」


……こんなに嫌うなら話しかけなければいいのに。

まぁ、嫌がらせのためだろうけど。

……部屋に戻るか。




◇◇◇◇
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