今日は我慢しない。

健全彼氏



 佐柳が二階から飛び降りてきた。



「!?」


 ズダン!!


 大きな地響きと共に、佐柳は難なく着地する。


「さ……佐柳?大丈夫?」


 おいで!と手を広げて呼んだのは私。

 だけどまさかほんとに二階から飛び降りてくるなんて思わない。


「……」
 

 佐柳は何も言わず普通に立ち上がってしっかりとした足取りでまっすぐに私の元へ歩いてくる。

 そしてそのまま私を抱きしめる。




「!」



「――好きだ。三条」




 まるで、ずっと膨れ上がってたなにかが破裂したみたいに




「めちゃくちゃ好き……!」




 ぎゅう、と痛いくらいに私を抱きしめるから

 充分すぎるくらいに気持ちが伝わって、胸が熱くなる。




「っ……、うん」




 それまで感じてた怒りとか不安とか、複雑な感情たちはどこかに吹っ飛んでいって、佐柳を愛おしく思う気持ちでいっぱいになる。



「私も……!」



 泣きそうになるのを堪えて佐柳にしがみついた。



 もうだめだ。

 私、佐柳がいないとだめなんだ。


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