今日は我慢しない。
「どこにでもある普通のβ家庭だったのが、俺がαって診断されてから国の援助が出て一気に上流階級になった。 周りにもてはやされるようになったせいか、母さんはαの俺にこだわってβの兄貴を無碍にすることが多くなった。 ……それで去年、兄貴が帰ってこなくなった」
「えっ!? お兄さん、どこにいるかわからないの?」
「うん。 ずっと探してるけどまだ見つかってない。 ただの家出かもしれないけど、どこで何してんのかな。 それもあってか、母さんは余計にヒステリックになって、父さんとも口論になることが増えて……家の中はいつも険悪。 もうぐちゃぐちゃだよ」
そんな悲惨なことを、佐柳は力なく笑って言う。
「俺のせいで家族がバラバラになってんのに、どうしたらいいかわかんないんだよな。 勉強していい成績とったって、生徒会長になったって、みんな笑ってた頃には戻れない。 そもそも俺がαじゃなかったら、こんなことにはならなかったのに」
……!
――αなんて嫌い
前に自分が佐柳に言ったセリフを思い出した。
同時に、そのとき佐柳が見せた泣きそうな顔も思い出す。
――ごめん ごめんな
いま初めて、あのとき佐柳が苦しそうにしてた理由がわかった気がした。
佐柳は、αの自分が嫌いなんだ。
「えっ!? お兄さん、どこにいるかわからないの?」
「うん。 ずっと探してるけどまだ見つかってない。 ただの家出かもしれないけど、どこで何してんのかな。 それもあってか、母さんは余計にヒステリックになって、父さんとも口論になることが増えて……家の中はいつも険悪。 もうぐちゃぐちゃだよ」
そんな悲惨なことを、佐柳は力なく笑って言う。
「俺のせいで家族がバラバラになってんのに、どうしたらいいかわかんないんだよな。 勉強していい成績とったって、生徒会長になったって、みんな笑ってた頃には戻れない。 そもそも俺がαじゃなかったら、こんなことにはならなかったのに」
……!
――αなんて嫌い
前に自分が佐柳に言ったセリフを思い出した。
同時に、そのとき佐柳が見せた泣きそうな顔も思い出す。
――ごめん ごめんな
いま初めて、あのとき佐柳が苦しそうにしてた理由がわかった気がした。
佐柳は、αの自分が嫌いなんだ。