へなちょこリリーの惚れ薬
「まあまあ、落ち着きなさいな、リリー」

音もなく、黒百合がテーブルについた。

「ローズも、別にいいじゃない。今更言ったって、どうにもならないんだからさ」
「……私はなにも」
「なにも? そうよねえ、後悔なんてしてないわよね」

……なんで、この人はこういうこと言うんだろう。

「リリーだって、彼氏が欲しいお年頃じゃん」
「ちょっと、人の紅茶飲まないでくれる?」

アンタの紅茶はなんだか苦いわね、と黒百合は言った。

「……リリー、ノア様はダメだよ」
「ほんと、ローズってイヤな女だよね。コレだから年をとると」
「アホか! あんたに言われたくないよ!」
「あーうるさい」
「なんだって?!」
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