へなちょこリリーの惚れ薬

「ローズはトレジャーハンターだったんだ」
「……なんですって!?」

それは知らなかった。

「彼女は村どころか国一番の魔力の持ち主でね。小さな村が退屈だったんだろうね。洞窟に入って、よく宝を取ってきてたよ」
「……あのおばあちゃんが……」

初めて出会ったのは、いつだったかな。
ノア様は首をひねりながら、楽しそうに目を瞑った。

「たしか、ローズは山に薪取りに行ったんだ」
「うん」
「私は弟を連れて狩りをしていてね……。道に迷った」
「……うん」
「ところがうちの山は、クマが出るんだよ」

……はい?

「うっかりクマに遭遇した私たちを、彼女が魔法で一発で仕留めてくれたんだ」
「……」
「ワンピース一枚の女の子が、クマを蹴散らしたんだ。そりゃ惚れるよ」
「惚れないですよフツー」

しまった、本音出た。

「……」
「……」

ノア様は結構ざっくりした性格だったのね。
< 199 / 275 >

この作品をシェア

pagetop