へなちょこリリーの惚れ薬
雨が止んだ合間に、着替えて学校へ向かう。
授業に出る気はない、図書館に本を返しに行くだけ。


「あー、リリー!」
「珍しい!」

下校時間のクラスメートたちが声をかけてきた。

「どうしたのその頭!?」
「全然似合ってないんですけど!」

キャハハハ、と下品に笑う彼女たちに会いたくなくて学校行ってないんですけど。

「……」

無言で通り過ぎる。



用事を済ませて、すぐに校門に出る。

「あれっ、リリーじゃん。珍しいね学校来てたの」

ちょうど帰るところのトレニアに会った。

「うん」
「どーしたの、髪、可愛いじゃない」
「……そう?」
「ちょっと編み込みヘンだけどね! リリー、不器用だもんね」

……ヘンかな。

「また練習すればいいじゃん。帰ろ」
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